微生物検査とは
微生物(腐敗菌や食中毒の原因菌 etc)の有無及びその数値を調べる検査です。
食品や厨房施設から、大腸菌・黄色ブドウ球菌・サルモネラ属菌など、目に見えないこれらの菌を測定し、安全性を点検することで、食中毒や異物混入などの事故防止や改善対策をサポートします。
微生物検査の内容
製品検査
- 食品の品質確認
- 食品の賞味・消費期限の設定
- クレーム商品の調査(異物混入同定検査)
環境検査
- 厨房施設の衛生状態の把握
手指検査
- 食品従事者の手洗い消毒の徹底
※「検査室だより」を毎月発行し、衛生講習会もおこなっています。
微生物検査の流れ
調査から指導・助言まで、検査室スタッフが全て責任を持っておこなっています。
微生物検査の検査項目
一般生菌 | 大腸菌群 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | セレウス菌 | サルモネラ属菌 | 腸炎ビブリオ | 真菌(カビ・酵母) | |
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製品検査 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
環境検査 (スタンプ式) |
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環境検査 (綿棒拭取式) |
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手指検査 (スタンプ式) |
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空中落下菌検査 | ● | ● |
衛生指標菌とは
食品の安全性と品質を評価するための指標となる一群の微生物群です。
衛生指標菌を調べることで、食品の汚染度や病原微生物の有無を推測することができます。
- 一般生菌数(細菌数)
- 中温性好気性菌の総数であり、食品の微生物汚染の度合いを評価する最も重要な指標菌
- 大腸菌群
- 環境衛生管理上の汚染指標菌であり、大腸菌だけでなく自然界に広く存在する類似菌も含む
- 大腸菌(E.coli)
- 糞便汚染の指標菌であり、検出された場合は腸管系の病原菌による汚染の可能性が示唆される
- カビ菌
- 一般的に湿度の高い時期に発生しやすいが、穀類や乾燥食品で繁殖する乾燥に強いカビも存在
- 酵母菌
- 環境中に広く存在し、密封した食品に混入すると、発酵して膨張を引き起こす原因となる
- 好気性芽胞菌(耐熱性菌数)
- 芽胞(硬い殻状構造)形成菌で熱や乾燥に強く、穀類、豆類、香辛料、野菜等に多く存在
HACCPとは
HACCPとは食品の製造・加工の中で、原材料の受入から最終製品までの各工程毎に、微生物による汚染や異物の混入などの潜在的な危害を予測し、危害の防止につながる特に重要な工程を監視し記録することによって、製品の安全性を確保する衛生管理手法のことです。
工程の衛生管理が正しく行われていることを検証するための方法の1つとして微生物検査があります。